WPC処理®によるダイカスト金型のヒートチェック抑制

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表面設計の材質
熱間金型用鋼(SKD61)
製品の材質
アルミダイカスト製品

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耐疲労特性

ヒートクラック防止、肌荒れ防止

表面設計コンソーシアムからの提案

WPC処理®
×
ラジカル窒化
  • ヒートチェックの発生を抑制し、金型の寿命を向上します。

表面設計の効果

ダイカスト金型の熱疲労によるヒートチェックの発生

アルミダイカスト用金型は、高温の溶融アルミニウム合金が金型内に流れ込むことで急加熱され、成形品の取り出し後に離型剤の噴霧や冷却で温度が下がる、という厳しい条件を何度も繰り返します。

このとき金型表面では膨張と収縮が繰り返され、やがてヒートチェックと呼ばれる細かな熱疲労き裂が発生します。

ヒートチェックが進むと、表面粗れ、製品肌の悪化、欠け、寿命低下につながるため、金型寿命を考えるうえで重要な課題です。

WPC処理®による金属組織の微細化

WPC処理®には数十μm程度の微粒子を投射する一種のショットピーニングです。これにより表面が硬くなるとともに強い圧縮残留応力が付与されることはよく知られていますが、表面近傍の金属組織を微細化することで、これにより熱疲労き裂の発生や進展を抑制すると考えられます。

熱疲労試験の結果

図1は、熱間金型用鋼(SKD61)を用いて、大気中で570℃加熱と水冷を繰り返す熱疲労試験を2,000回実施したあとの試験片断面のヒートチェックの長さと数をグラフで示したものです。何の処理もしていないSKD61と比較してラジカル窒化処理を施すとヒートチェックの数は若干減少しますが、深さはあまり変化がありません。一方、WPC処理を施した場合はヒートチェックの数、深さともに劇的に減少することがわかります。

 

図2は熱疲労試験後の断面の組織を観察したものです。WPC処理®を施した試験片はヒートチェックの数が少ないことが一目瞭然です。また、興味深い点はWPC処理®した試験片では灰色に見える酸化膜の厚さが明らかに薄く、酸化の進行が抑制されていることです。

図1 熱疲労試験後の各試験片のヒートチェック分布(数と深さの関係)

図2 熱疲労試験後の各試験片の断面組織

WPC処理の効果

熱疲労は表面の熱膨張と収縮が繰り返される結果、弱い部分からき裂が発生・進展する現象なので、表面硬化および圧縮残留応力の付与は効果的と思われますが、本実験ではラジカル窒化処理はあまり有効ではありませんでした。一方でWPC処理®が劇的な効果を示したのは、表面硬化や圧縮残留応力だけでなく、金属組織の均質・微細化によって、き裂の発生を防ぎ、緻密な酸化被膜の形成によって内部へのき裂の進展を抑制するためと考えらます。

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