WPC処理によるDLCの密着性と摺動特性の向上

  • TOP
  • 実績
  • WPC処理によるDLCの密着性と摺動特性の向上
困りごと
取引分野 ・ 業界
協力企業
表面設計の材質
高速度工具鋼、機械構造用鋼

お困りごやとニーズ

密着性を向上したい

摩擦係数を低減したい

表面設計コンソーシアムからの提案

×
DLCコーティング
  • 焼付き、凝着を抑制します

表面設計の効果

DLCコーティングの密着性

DLC(ダイヤモンドライクカーボン)は硬くて摩擦係数が低いため、近年、摺動性を向上したい用途に多用されるようになりました。ただし、一般に基材との密着性が劣っており剥離しやすいことが問題でした。

ボールオンディスク試験による密着性の比較

図1は高速度工具鋼を基材としてTiCNコーティングとDLCコーティングを施して、ボールオンディスク試験をした結果です。あらかじめ基材にWPC処理をしてディンプル形状を形成したものと、WPC処理をしていないものを比較すると、基材にWPC処理を施した方が荷重が15Nに達するまで摩擦係数が小さく良好な摺動状態を示していることがわかります。

図1(a) WPC処理しない場合 10NでDLCが剥離して中止

図1(b) WPC処理したい場合 15Nでも剥離なし低摩擦係数を維持

剥離の様子(ボールオンディスク試験)

ボールオンディスク試験終了後の表面の状態を観察してみると(図2)、WPC処理を施していないサンプルは大規模なDLC膜の剥離が起きていることがわかります。

図2(a) ボールオンディスク試験後の剥離の様子(WPC処理無し)

図2(b) ボールオンディスク試験後の剥離の様子(WPC処理あり)

剥離の様子(ロックウェル試験)

ロックウェル試験による密着性の評価結果を見ても(図3)、WPC処理を施したサンプルは大規模な剥離を起こしているのに対して、WPC処理したサンプルは剥離が少ないことがわかります。

図3(a) ロックウェル試験後の剥離の様子(WPC処理無し)

図3(b) ロックウェル試験後の剥離の様子(WPC処理あり)

ディンプル形状によるDLCの密着性向上

図4にWPC処理によるDLCの密着性向上のメカニズムを示します。研磨された表面では基材の変形によって一か所でき裂が発生すると大規模な剥離が起きてしまいます。一方でWPC処理によって機材の表面にディンプル形状が形成されると、DLCコーティングに負荷される応力分布が不均一になり微小なき裂が多数発生するために、全体として基材の変形追随性が向上し大規模な剥離を抑制していると考えられます。このようにディンプル形状を付与することによりDLCの密着性と摺動特性の向上を図ることができます。

図4(a) 剥離のメカニズム(WPC処理なし)

図4(a) 剥離のメカニズム(WPC処理あり)

参画企業

FLOW

01

お問い合わせ

金属のお悩みをお気軽にご相談ください。2営業日以内にご連絡します。

02

お打ち合わせ

ソリューションラボ
相談無料

しっかりお話を伺って原因を探ります。マイクロスコープを使った簡単な調査もサービスで行っています。

03

調査・分析

ソリューションラボで詳細な調査と分析を行い、問題の原因を特定し、解決方法を見つけます。

04

表面設計のご提案

調査結果に基づいたご提案をいたします。最終的に実施するかはお客様の判断で決めていただけます。

05

実機テスト

ラボテストや実機テストのお手伝い。3.4.を繰り返して最適解が得られるまで伴走いたします。

CONTACT CONTACT CONTACT
CONTACT CONTACT CONTACT
相談無料

金属のお悩み、
聞かせてください。

専門的な知識は不要です。「金型がすぐ削れる」「金属部品が錆びる」など
”とにかく困っている”お悩みをお聞かせください。