腐食環境下でステンレス材の耐摩耗性を高めたい

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表面設計の材質
オーステナイト系ステンレス
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オーステナイト系ステンレス

お困りごやとニーズ

腐食環境下でステンレス材を使用するが、耐摩耗性が必要である。

表面設計コンソーシアムからの提案

  • ステンレスの耐食性を維持した状態で耐摩耗性が向上
  • 耐摩耗性向上と共に凝着対策が可能

表面設計の効果

オーステナイトステンレス鋼の耐摩耗性

オーステナイト系ステンレス鋼は優れた耐食性を有することから、食品製造機械や医療機器などへの応用が拡大しています。しかし、耐摩耗性や耐かじり・凝着性が不足することから表面硬化処理が望まれています。

従来の表面硬化処理

従来からオーステナイト系ステンレス鋼に窒化処理を施すと表面を硬くできることはわかっていましたが、クロムが窒素と結合してクロム窒化物を形成するために耐食性が劣化することが問題でした。また、450℃以下の低温でプラズマ窒化処理を施すことにより、拡張オーステナイトと呼ばれる硬く耐食性が良好な表面層を形成できることが報告されていますが、実際に耐食性を評価してみると素材と比較して耐食性が劣化する場合が多いことがわかっています。

 

耐食性と表面硬化を両立する処理法

あらかじめ適切な温度で熱処理を実施したのち、比較的低温でプラズマ浸炭・窒化の複合処理をすることで耐食性を損なわず表面を硬くできることがわかりました。図1にこのような方法で処理したSUS316L材の断面組織写真を示します。表面から15μm程度の厚さで拡張オーステナイトと呼ばれる炭素と窒素が浸入した硬化層が形成されていることがわかります。

図1 プラズマ浸炭・窒化処理によりSUS316L材の表面近傍に生成した拡張オーステナイト

処理の効果

表面を研磨したSUS304の板材に適切な熱処理と低温浸炭・窒化処理を施したのち、スポンジによる往復摩耗試験を実施しました。図2は低温浸炭・窒化処理したもので、処理前の研磨工程で残ったわずかな傷がありますがほぼ鏡面のままです。一方、図3に示すように、未処理材を往復摩耗試験するとたくさんの傷が上下方向に入っていることがわかります。

図2 スポンジ往復摩耗試験後の表面(低温浸炭・窒化処理材)

図3 スポンジ往復摩耗試験後の表面(未処理材)

参画企業

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